研究室からのご挨拶
2004/04より中部大(工学部情報工学科)に移りましたがよろしくお願いします。
岩堀研究室ではコンピュータビジョン(三次元画像処理)、複合現実感(仮想映像生成)、バーチャルリアリティ、最適化並びにパターン認識に関わる研究を主として行っています。画像の光学的情報をもとに物体の3次元情報を抽出するアルゴリズムの理論的追求とその実際化に関する研究では,カメラを固定したまま異なる光源方向から照明した複数枚の濃淡画像から対象物体の3次元形状パラメータや局所曲面の曲率符号を求めるための新たなアルゴリズムを開発してきました。アルゴリズムは平行光線照明から点光源照明への拡張,未知の照明方向パラメータの問題への拡張,微小変位の光源照明による方法への拡張等からなり,従来の方法の仮定条件における緩和を目的とした種々の研究成果を得ています.
また、ニューラルネットによる形状復元並びに画像・パターン認識問題への応用のための研究として、濃淡画像を用いた形状復元におけるキャストシャドウや面の反射特性の問題を柔軟に解決するために,実際の反射特性をダイレクトに学習するニューラルネットワークを提案するとともに,近年ではセルフキャリブレーションによる照度差ステレオの開発や仮想画像生成の研究を行っています.とりわけ、照度差ステレオの研究に関してはUBC(ブリティッシュコロンビア大学) Computer Science のRobert Woodham教授とともに研究を行ってきています。関連する画像認識研究としてニューラルネットワークを用いたエッジ画像抽出,ニューラルネット最適化による走査型電子顕微鏡(SEM)画像からの形状復元、他、パターン認識・分類問題におけるニューラルネットワークの新たな可能性を示す研究を行ってきています.
一方、バーチャルリアリティ関連の研究では、仮想液体や仮想気体の対話操作に関する研究を行ってきています。仮想液体のシステムでは、仮想空間で液体を表現する粒子モデルを考え,磁気センサーを用いてリアルタイムで仮想液体を対話操作できる新しい実験システムを開発しています.仮想映像生成技術としてコンピュータグラフィックスの方法のみならず、コンピュータビジョンの研究との融合をめざし,複合現実感等新たな応用研究を行っているところです。
他方、当研究室は,名古屋工業大学情報メディア教育センターの情報メディア部として画像情報メディア研究の他、メディアを活用した学内情報教育のための教育支援研究も行っています。このため、レポートの自動受付システムやコピーレポートを抑制するシステム他、アクセス状況監視システムなど、教育支援システムの開発を行うとともに,「教育の情報化」の普及と支援・問題点の改善に向けて努めています.情報教育教材の開発の関連としましては、メディア教育開発センターとの連携で、次世代情報教育として、コンピュータ原理教育のための仕組み理解にあたり、メール、Web、画像処理などのうち、画像処理の仕組みを理解するためのシミュレータ教材の企画・開発にあたっています。
企業の方々へ
このところ大学において、産学連携という言葉が定着しつつありますが、当研究室では主として画像メディア認識技術・生成技術とその応用に向けて研究しています。最近ではサッカー競技の評価・仮想映像生成システムに関する共同研究を開始しようとしているところです。また、パターン認識・ニューラルネット・最適化といった技術は、非常に多くの分野に応用が可能な研究テーマでもあり、企業様においても様々なニーズがおありになるかと思いますが、産学連携として関連しそうな研究開発テーマがございましたら是非お気軽にご相談のほどよろしくお願い申し上げます。
学生のみなさんへ
当研究室で行っている研究の概要を把握していただき興味をもっていただくことを兼ねまして研究室関連のWebページを更新いたしましたが、これらは、当研究室の院生と学部卒研生が貢献してくれました。研究室のWebページでは、各研究紹介の概要の情報を分かりやすく解説するとともに、研究室のプロモーションビデオなども備えました。興味のある学生さんがみえましたら、次はオリジナルな発想のもと、これらの研究に参画していただき、より充実した内容を期待しているところです。よろしくご支援のほどお願い申し上げます。